西条・河原津干拓地の国有農地 地元牧場が1カ所落札
農林水産省中国四国農政局(岡山市)は9月30日、西条市河原津の河原津干拓地の一部地中に廃棄物が残る国有農地の畑2カ所(計約12ヘクタール)を売却するための入札を西条市東予総合支所で実施した。複数の関係者によると、約6.3ヘクタールは西条市吉田の「宇佐美牧場」が約2200万円で落札。残る約5.7ヘクタールは入札価格が予定価格を下回り、不調となった。
宇佐美牧場によると、落札した約6.3ヘクタールでは牧草を栽培予定で、飼料の自給率向上を目指す。宇佐美貴史社長(43)は「他の酪農家の模範になるような牧草地にしたい」と話した。
農政局は入札に関し「契約締結後にホームページ上に公表するまでコメントは控える」としている。
公示書では、汚染土壌や埋設物の除去費用相当額を入札予定価格から控除するが、新たな土壌汚染や地下埋設物が見つかった場合、国は責任を負わないと記載している。
農政局などによると、入札対象の農地は、所有していた松山市の農事組合法人が倒産後、裁判所による3度の競売で買い手がつかず、2003年に農水省が買い戻し、地上の産業廃棄物を撤去。県の14年の調査で数カ所に多数の大きなコンクリート片やアスファルト片などを確認、1カ所の下層部から高い油分を検出した。